ボート釣りあれこれ 免許不要の2馬力ボート
【2馬力ボート概略】

■それが、十分に2人乗りで楽しめるエンジン付ボートが免許不要で楽しめるようになりました。2馬力ボートの概略は次のようなものです。
●ボートの長さが3m未満であるもの。ただしこの長さは「登録長」であるらしく、おおむね、実質の0.9が登録長となるようです。ですから実質的には全長3m数十cmのボートが対象になるようです。
●推進機関の出力が1.5キロワット未満(約2馬力)であるもの。2馬力表示のガソリン船外機か、バス釣りなどで使う1.5キロワットのエレキが使えるという事です。当然、両者の併用はダメ。どちらか。
●エンジンの非常停止スイッチ、キルスイッチ、遠心クラッチ、プロペラガード等、要するにプロペラによる「人身傷害防止」のための停止装置か保護装置を有するもの、ということ。これは、メーカーが当然対応しているでしょう。
●管轄官公庁は国土交通省ですが、確認したいことがあればメーカーに問い合わせた方が早いでしょう。
■で、この免許不要の2馬力ボートをレンタルで借りることができます。「料金と予約について」のページにも書きましたが、大体相場は7000円くらい(2014年度のシーズンより8000円に値上がりしています)。エリアによっては人数によって値段が変わるお店もあるみたいですから、要事前チェック!
※本サイトは湖沼でのボートは対象にしていません。あくまでも海釣りのレンタルボートが対象です。
【2馬力ボートのレンタル】

■必要とあれば電話してお店の方に確認することをお勧めします。2馬力ボートはけっこう人気がありますからすぐに予約が入るようです。
※エンジン付のボートレンタルといっても、「免許が必要」なボートもレンタルでありますので、注意してお店の情報を見てください。免許が要らないのは2馬力だけです。

■いつもお世話になっている富浦のボート店さんには2馬力ボートが3艘(2014年より4艘に増えました)あります。富浦で2馬力ボートを持っているのはこの1店のみです(※このボート屋さんは「日の出ボート」さんですが2013年、隣りの「富士屋ボート」さんも2馬力ボートを4台導入したました)。けっこう人気がありますね。
※日の出ボートは2020年3月末で廃業されました。
■実は私、この2馬力ボートを一度も利用したことがありません。船長から勧められるのですが、曳舟での手漕ぎ専門です。理由は、それほど沖へ移動しない事と、ちょっとこのエンジンの操作が「面倒」という二つです。2馬力とは言え、原動機ですから、まったく事前の知識なしに乗ることはお勧めしません。もちろん、お店の人が説明はしてくれますが、数分で2馬力エンジンの全てが分かるとは思えません。
■エンジンを掛けて手前のスロットルのついたバーで船を操るのですが、当然バーの動きと進行方向は逆になります。よく、そこが慣れていなくて沖へ向かった途端、岸へグルリと一回転して戻ってくるボートがいます。悪いですが、笑いをこらえています。
■それに、ガソリンを使いますから、操作の手順を誤ればエンジンをチルト(プロペラを海水面から上げてボート側に倒す)した時にガソリンが漏れたりすることもあり、予備のガソリンが1Lくらい容器に入れて置いてありますので、タバコを吸う人は注意が必要です。
■最近はこの2馬力ボートに関する本がけっこう出ていますから、せめてエンジン操作について、事前知識はお持ちになるべきだと思います。ご参考までに「2馬力エンジンについて」のページに必要最低限の事をまとめました。安全のために。
【2馬力ボートの実力】
■エンジン付とはいっても2馬力ですから、過剰な期待は禁物でしょう。おそらく、腕力のある人が目いっぱい漕いだ時の手漕ぎボートとそれほどスピードに変わりはないと思います。確かにある程度長い距離を移動するのは楽でしょうが、風速が5m以上の向かい風になると、なかなか思うようには進めないと思います。
■では2馬力のメリットは無いのか?と言えば、そんなことはありません。要は移動が楽な訳ですから、ポイントを探りやすい。狙いものによってはポイントがかなり離れている場合があります。例えば、イカとマゴチのポイントとか。実際私は手漕ぎ専門であまり動きませんから、どちらかに狙いを絞ります。沖に良い根があると知っていてもそこまで漕いで行く気にもなりません。漕ぐより、釣っていたい。しかし、2馬力ボートですとその根まで楽に行けます。沖の根で釣りをしている2馬力ボートを見ると、ちょっと羨ましいような…。
■ただ、アイドリングでもエンジンを回しっぱなしにしていると燃料切れを起こす可能性もあります。機種にもよりますが、連続走行だと1時間程度しかもたないと思います(予備燃料は付いていますけど)。ポイントについたらエンジンを切ってアンカリングすべきでしょう。沖で燃料切れになると遠い岸までヒーコラ漕いで帰る羽目になりますよ。2馬力ボートは曳舟の対象外ですから。
【2馬力ボートのアドバンテージ】
■前の項で、「2馬力ボートに過剰な期待は禁物」と書きましたが、とはいえ、現実には手漕ぎのボートと比べれば相当なアドバンテージがあります。それを表現すれば「移動するのに疲労が伴わない=ポイントを広く移動できる=移動する釣りものを狙える=アジや青物、アオリイカなどを狙うのに有利」となります。
■実際、手漕ぎ専門の私はポイントをあまり動きません。カワハギ狙いの時などは船長に勧められたポイントから一日動かない事もあります。そのポイントでコマセを使って「場」を作り、カワハギを寄せます(「ボート:カワハギ釣り」をご参照ください)。アジも回遊してくれば釣れますが、一日ノーヒットの場合が多い。
■特にこのアジと、そしてアオリイカを狙っている場合は沖目の根を探って行ける2馬力ボートは大きなアドバンテージです。事実、私が行く某富浦湾でアオリイカやアジで釣果を上げているのは2馬力ボートに乗っている方々です。カワハギの場合も沖目の根が狙えれば、釣果が上がります。時には倍近い釣果の差がでます。
■手漕ぎボートではとても沖の根までは行く気になれません。私は「イソギンチャク釣方」です。操作に慣れてしまえば2馬力ボートは大きなアドバンテージです。ただし、風が強い時などは如何に原動機付きとはいえ、2馬力ですから、まあ「機動力」は落ちます。
■それにしても、特にアオリイカを狙う方には2馬力ボートがお勧めです。私の記憶では某富浦湾でアオリイカをコンスタントに釣っているのは2馬力ボートです。でも、湖沼とは違いますから、エギングやジギングをやる方、船の上には絶対に立たないように。海には航波や風によって、思わぬ波が来ますから。落水注意!
ボート釣りあれこれ 目次へ
■これからボート釣りを始められる方のご参考にでもなれば。

★ボート釣りで遊ぼう 「ボートで狙う季節の釣りもの」
★Let's ボート釣り 「ボート:カワハギ釣り」
★Let's ボート釣り 「ボート:アジ釣り」
★ボート釣りあれこれ 「ボート出船の見極め(基準)」
★関東 ボート店リンク
「釣り」テーマ以外の運営サイト
